・2011年10月〜11月、twitter上にて行っておりましたリレー企画のまとめです。
・ご一緒させて頂きましたのは、「みずのほらあな」管理人のまきろンさんさんです。この場を借りて、有難う御座いました。
・ざっくりな経緯 : 某方が診断メーカーで触手×ディアスな内容を出した→まきろンさんがそれに沿った小ネタを書いた→セキゲツが省略された濡れ場の冒頭部分のみを書いた→まきろンさんがその続きを書いた→リレー開始
・本文中、この色はまきろンさん、この色はセキゲツが書いた部分です。




「くだらないモノを使う……薬がなくては何も出来ないのか?」
薄暗い部屋で目を覚ましたディアスは、目の前で自分を見下ろしている男に吐き捨てる。
「精々毒づきな。長くはもたないだろうけどな」
男がそう言って部屋を出ると、拘束されたディアスの背後で何かがずるりと蠢いた。
朧な灯りの中に浮かび上がったそれは、粘性の液体を纏ったぬらりとした体表に、自然では有り得ない複雑でおぞましい形状をしていた。
獲物を嬲ることのみを本能として刻まれた、一部の人間のくだらぬ愉悦のためだけに作られた生物。
それが、主人に与えられた命令を果たすべく、粘りつくような音を立ててディアスに這い寄ってくる。
逃げようにも扉は施錠され、拘束はがちりと身に食い込み、外れる気配がない。
退ける手段を奪われた獲物に、ずるりと数本の触手が伸ばされた。
「っ……」
様子を見るように、ディアスの身体を服の上から撫でる。
薬に侵された
身体はそれにさえ鋭敏に反応し、ただ服越しに触手が這う感覚と濡れて張り付いた服が肌を擦る感覚だけでは薬の効能を緩和させるには弱すぎて、それが更に身体の火照りを強くしていく。
それを知ってか知らずか、数本の触手がディアスの服を引き裂き、他の数本はすかさず薄明かりの下に晒された白い肌に群がる。
「うっ……」
ひんやりした空気と生暖かい粘液で肌が粟立ち、身体を這い纏わる触手のうち2本程が小指の先程に凝り固まった乳首を先端で弄る。
「くっ」
ディアスがそれに堪えている間も他の触手は全身に粘液を塗り込めようとするように肌の上を這う。
弾性のないそれの感触はは何処か死肉めいて、通常であれば嫌悪しか生み出さないものだ。
だが引きずり出された性感は、それすら熱に変えてしまう。
ディアスは荒い呼吸を整え、意志を越えて暴走する感覚を制御しようと試みるが、人ならざる執拗な責めはそれを緩そうとしなかった。
鴇色の突起を捏ねるように潰しては立ち上がらせ、同時に曝された白さを貪りにぬらぬらとした肉が纏わりつき。
しかし何を考えたのか、熱を得て芯を持ち始めた中心には、どの触手も近づこうとしていない。
直接的な刺激を与えられない不本意なもどかしさに、ディアスは眉を顰めた。
そんな中、服を剥ぎ取っていた触手が一糸纏わぬ姿となったディアスの足の拘束を外した。
触手は直ぐ様足に絡み付き再び自由を奪うと、片足ずつ拘束した足を持ち上げ足首と肩を重ねるように引っ張る。
それにより腰が浮き陰部が曝け出されると、それを待っていたように1本の触手が伸ばされた。
その触手は根元こそ1本だが途中から無数の細い触手に枝分かれしており、熱の中心ではなくその下に向かった。
「なっ、止めろ!そこは、あいつにしか……!」
何処を責めようとしているのかに気付いたディアスは身を捩り叫ぶが、無数の触手は無慈悲に菊座に殺到した。
下等な生物に相応しく力ばかりは強いそれは、ぎちりとディアスの身体を戒めており、有効な抵抗を許そうとしない。
悲痛に顔を歪める彼の、内臓に近い鋭敏な皮膚に、幾本もの肉枝がへばりつく。
それらは暫く、様子を確かめるようにその部分をくじっていたが、やがて無遠慮な所作でディアスの体内へと進入していった。
「やめ、やっ…」
その部分に群がる触手は子供の指程の太さしかなく、たっぷりと纏う粘液の滑りも助けとなり、さしたる抵抗も受けずに彼の肉を割り開いていく。
一本、また一本と増やされる触手がそれぞれに中を撫で回し、溜まらず息が零れた。
「はっ……あ、くっ」
細やかな触手が中を擦る度人間が相手では決して得られる事のない感覚が全身を駆け、それを拒もうとする意思とは裏腹に熱を持った身体は素直に快楽を享受し触手の動きに合わせてひくひくと震える。
今や全ての触手がディアスの中に入り込み、肉壁を擦りながらゆっくりと奥へ進んでゆく。
「うっ、あ、ああっ」
少しでも抵抗しようと力を入れても更に触手の動きを激しくするだけで、奥を擦られる度に甘い声が漏れる。
しかし中に押し入っていた触手は枝分かれの根本近くまで入るとそこで奥に進むのを止め、そのままゆるゆると後退を始めた。
嫌らしい程の緩慢さで肉を撫でながら引いていく触手の動きは、強引に開かれるのとは別種の快感を生みだしてくる。
背筋を走るぞわりとした衝動、再度の責めを予測して身構えるが、その意に反して触手は先端まで全てを抜き去ってしまった。
不浄な生物に身を抉られる屈辱と、意志を越えて与えられる快楽から解放されたディアスは、知らず安堵の息を吐く。
しかし責め苦がこれで終わる筈もない、ずるりという重く湿った音と共に、薄暗がりから新たな触手が姿を現した。
禍々しいと言って良い形状のそれは、彼を責めた他の触手と比べ格段に太い径を持っている。
先端ばかりは男性器と同じなそれは外周に多数の疣を持っており、他の触手と同じくぬらぬらとした粘液を纏ったそれが今し方触手から解放されたばかりの場所を容赦なく穿つ。
「やめ、あ、あああああっ!」
押し入ってきた触手は今まで経験した事のない太さだったが、丹念に解された秘孔はさして痛みを感じる事もなく易々とそれを受け入れた。
深々と突き刺さった触手は激しく前後運動を始め、無粋な水音を立てながらディアスの中を蹂躙する。
歯を食いしばりその責めに耐えていると、先程の枝分かれした触手が今まで全く触れられずにいた熱の塊に絡み付いた。
「ひっ」高まりきった状態で焦らされ続けた部分への突然の刺激に、ディアスの身体が大きく跳ねる。
その反応に勢いづいたのか、彼の全身を愛撫する触手の群が、一層動きを活発にし始めた。
うねりながら肌を嬲る触手の一部が、ディアスの背に回り、後ろ手に施されていた拘束を断つ――が、勿論それが自由に結びつく筈も無い。
新たな拘束具と成るべく絡み付いた触手が、ディアスの両手を絡め取って頭上で一括りに固定した。
そして新たに晒された背や脇腹に触手達が嬉々として群がる、もはや彼の身体に、愛撫が施されぬ部分は存在しないと言って良かった。
「ひうっ、あっ、ああっ!」
全身を覆い尽くす快楽にディアスはもはや僅かな抵抗もできず、触手の責めに身体を震わせ涙すら流しながら淫猥な嬌声をあげる。
(セル、バン……)
溶けた思考の中で縋るように思い人の名を呼ぶも、それを声に出す事もできない。
そして、止めを刺すかの如く陰茎を扱く触手がその動きを激しくし、後ろを責める触手が一際奥を突いた。
「―――っ!!」
それにより限界を超えたディアスは声にならない叫びと共に白濁を撒き散らす。
「ひ、あっ」
触手は暫し絶頂の余韻を味わわせるかのように大人しくなったが、直ぐに活動を再開した。



1時間程経って男が再び部屋を訪れると、触手から解放されたディアスは床に横たわっていた。
「気持ち良かったかい?将軍さん」
男はディアスの髪を掴み、無理矢理顔を上げさせて言う。
「ええ、まあまあ楽しかったですよ」
ディアスがそう答えると同時に、彼の剣が男の胸を貫いた。






まきろン様・セキゲツ競作
2011.11.07 まとめ初出

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